月刊子どもの文化・研究子どもの文化
2023年1月号VOL.616
特集鬼退治
『子どもの文化』2018年2月号の飯倉先生の原稿で、「『鬼』はすべての悪いことを引き受ける、現実には存在しない『悪』そのものとして文化の中でイメージされてきた、虚構の概念にすぎない」という鬼のあり方は『鬼滅の刃』でもそうだ。人にとって鬼は、理解の外の他者というありがちな関係ではない。「『鬼』は『誰か』ではないはずなのだ」と定義した。では、鬼退治とは何だろう?桃太郎の鬼退治にしても、口承文芸(口伝えの物語)では幾つものバリエーションがある。退治も武力だけでなく、「おもてなし」まで入って来そうなのだ。桃太郎の鬼退治の原型だった吉備津彦の温羅退治では、鬼たちは温泉リハビリをしていたという。大晦日から節分まで、鬼やらいの季節に鬼退治を考えてみよう。
内容
〈特集〉鬼退治
鬼は接待、それとも退治? 佐々木高弘
桃太郎・鬼・二セ科学―「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」から「鬼との対話」を導く授業に関しての、一抹の不安― 飯倉義之
温羅の冷泉伝説〜鬼の温泉リハビリ施設を封じ込めろ〜 木下 浩
伝説の扱い方―「桃太郎サミット二〇一三in美咲」に参加して考えたこと― 堀田穣
〈連載〉
これまで・これから 子どもの文化 編集部
子どもカルチャー見聞録76 大宇宙の中の小さな小さな地球 川北亮司
寝落ちする日々 久保健太の育児日記 第18回
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