紙芝居資料室
戦前から戦後昭和30年までの教育紙芝居600部余をはじめ、歴史的に価値のある希少な作品や、五山賞候補作品を中心に4000部を所蔵。
「所蔵作品リスト」を年代順に作り、所蔵・保管しています。
一方、紙芝居研究や所蔵機関の拠点としての役割を担い、紙芝居に関する様々な活動を行っています。
- 閲覧希望の場合は電話予約(03-3951-0151)が必要です。(平日午後1時~午後5時)
- 貸出用紙芝居(有料)もございます。
- 資料的価値の高い紙芝居の収集と、他の関連団体や各地の所蔵機関等との交流を行い、情報を共有しています。
- 各地の紙芝居イベントや研究会等の情報を、雑誌「子どもの文化」で発信したり、紙芝居研究やフォーラム、「紙芝居カフェ」やテーマ毎の紙芝居展等を企画し、実行しています。
紙芝居資料室所蔵作品検索
紙芝居資料室所蔵の全作品のデータベースが検索できます。
キーワードでも検索できるので、保育や実演の紙芝居選びにご活用ください。
紙芝居の賞
紙芝居の賞として、当研究所では紙芝居のブランプリである五山賞(作品創作部門)・右手賞(実演部門)・堀尾賞(研究部門)の三賞を審査・授与する活動を行っています。
- 五山賞は1962年に高橋五山の紙芝居の業績を顕影して設けられ、一年間に出版された紙芝居の中から最も優秀な作品に授与されます。(創作部門)
- 右手賞は戦前、戦後紙芝居の名演者として大活躍された右手悟浄氏と、紙芝居一筋80余年の生涯を送られた名実演家、右手和子氏の親子二代の業績を記念して2015年に新しく設けられた演者として、また普及活動に優れた業績を上げる個人・団体を対象に贈られます。(実演部門)
- (研究部門)堀尾賞は、紙芝居作家・宮沢賢治研究者・第3代子どもの文化研究所長として子ども文化の広い領域で活動された堀尾青史氏の業績と生誕100年を記念して2015年設けられました。「堀尾賞」は、紙芝居にかかわる学術的研究、調査、学術的出版、評論活動など、広く紙芝居文化の振興に貢献した個人・団体を対象に隔年に贈られます。
第58回五山賞特別賞・第58回五山賞奨励賞・第59回五山賞

第58回五山賞特別賞『ちっちゃいこえ』
脚本 アーサー・ビナード 絵 丸木俊・位里「原爆の図」より
発行 童心社
本作品はビナードさんが7年も対峙した大作。
大きな訴求力を持つ優れた作品で、本作品を単に五山賞として顕彰するのではなく、もう一段別の立場から考え見ていくことが大事ではないかという意見から「特別賞」として顕彰された。
この作品が評価され、これから名画を土台にした紙芝居が作られるムーブメントの発生を予感する作品である。
第58回五山賞奨励賞『どんと来い!三途の川』
脚本・絵 折原由美子 監修 ときわひろみ
発行 雲母書房
とにかく脚本が面白い。山形の昔話をモチーフに、一歩身を引く古来の女性の姿から奪衣婆に心変わりしたじい様を見捨て、自分の人生を謳歌する女性のドライさというか、したたかさが現代にマッチして昔話のありがちな展開と違って、現実的でユーモアがある。おもしろい脚本に考えられた構図がぴったりとマッチして、老若男女楽しめる作品である。
第59回五山賞『三月十日のやくそく』
脚本 早乙女勝元 絵 伊藤秀男
発行 童心社
シンプルな脚本から空襲の恐さ、戦争のみじめさが伝わり、見事に描き切った絵と相まって、戦争の悲惨さが表現されている。
画家の描写力の凄さ、脚本の表現力から審査員満場一致の受賞となった。
⇀贈呈式への参加・配信の閲覧を希望する
紙芝居の芥川賞とも呼ばれる五山賞を広く知っていただくために、今回は特別に贈呈式の様子を生中継でお届けします。
配信はYOUTUBELIVEの限定公開で行われます。第三者へのURLへの転送はできません。
1名様ずつのお申し込みが必要です。
会場へお越しの方は、フォーマルな服装でお越しください。
第4回堀尾青史賞
堀田穣
(京都先端科学大学名誉教授)
昭和50年代より文部事務官、図書館司書として勤務の傍ら、上笙一郎氏等の関西児童文化史研究会に参加し、紙芝居や口承文芸等を研究し、箕面手づくり紙芝居コンクールの審査員として新しい創り手を育て、月刊『絵芝居』を阪本一房・小森時次郎氏らと創刊し、現在337号になり、全国の紙芝居人やグループをつなぎ、その時々の活動や議論を紹介している。11冊に及ぶ著作と6本の研究発表などで、紙芝居の理論的実証的研究に大きな功績をあげていることである。これは大へん貴重である。
第6回右手悟浄・和子賞
荒木文子
(古賀市在住・紙芝居実演者・紙芝居工房パチパチ)
右手和子先生の指導を経て、自らの地歩を固め、紙芝居でネットワークをつなぐ草の根活動を、日本から世界へも広げ、全国各地への実演活動、全国紙芝居まつりの本部運営、プーク人形劇場での実演大会等で紙芝居界を牽引している存在。作家としても『まんまるまんま』などで腕を振るい、実演でも難しい”間”に独自な型を生み出している。間は観客と同じところで息をすると集中できて場が一つになる。間をあけるところで息をしてみる。観客を置いていきそうになった時、息を吸うと間がもてるー実演から到達した論である。