月刊子どもの文化・研究子どもの文化
2023年4月号(品切れ)VOL.619
特集声を聞く、声で語る
近頃電子音声が生活の場に満ちているような気がする。人の声の力とは何だろう?企画を提示する時に、かつてだったら「そのコンセプトは?」と聞かれたものだが、このところでは「その物語は?」と聞かれるようになって来た。「物語」という語は手触りとか、においまでを求められるような気がする。声はわかった、意味も通じている、だけど声の力は?と問われているようなものだ。タイパ(Time Performance)というコトバが流行っている。どれだけ時間をかけずにコトを成せるか。反対に冗長性というコトバがIT用語にある。一般的には必要最低限なものに加えた余分や重複のことで、無駄の別称だが、IT用語となると、耐障害性を高めるために予備のシステムを用意することを冗長化と言う。冗長は揶揄や無駄ではなく、安全なのだ。音声言語は文字言語に比べておそらく冗長なコトバだろう。今一度その冗長さを見直してみよう。
内容
〈特集〉声で聞く、声で語る
肉声とまなざし 伊知地晃子
お話会で遊んでいます―私のお話会人生― 末吉正子
物語にこそ潜む声の力 三田村慶春
思いを声にのせて―声のカー 関口 恵
声の神話、語り手の歴史 堀田 穣
追悼 安和子・これまでこれから子どもの文化
わらべうた考・わらべうたを語る わらべうたと戦争 藤田浩子
ホットライブホットジャーナル 大成功!四年ぶりの開催「第15回全日本語りの祭りin 加賀」野間成之
寝落ちする日々久保健太の育児日記 第21回
子どもカルチャー見聞録79 学童クラブの子どもたち 川北亮司
目白通信
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